「生命を脅かす病に関連する問題に直面している患者と家族の痛み、その他の身体的、心理社会的、スピリチュアルな問題を早期に同定し適切に評価し対応することを通して、苦痛を予防し緩和することにより、患者と家族の生活の質を改善する取り組み」(2002年WHOによる定義より)のことです。
生命を脅かす病とはがんであることが多いのですが、がん以外の病気も緩和ケアの対象として考えられるようになっています。1990年に日本の緩和ケア病棟(届出受理病床)の数は僅か120床程でしたが、2020年には9000床を超える数になりました(日本ホスピス緩和ケア協会ホームページより)。これはすなわち、症状緩和を目指す取り組みが、少しずつ全国に広がっていることを反映しているとも考えられます。必要とする全ての人に、緩和ケアが届けられるようになることを願います。
当院は岩手県のがん診療連携拠点病院である県立磐井病院に隣接し、磐井病院の緩和ケアチームに当院から医師、公認心理師が参画しております。今後当院の診療体制の充実とともに、緩和ケア領域での協力・応援体制の強化が求められています。
緩和ケアチームの活動内容としては、一般病棟、外来通院患者の症状のコンサルテーション、療養、退院調整、緩和ケア病棟入棟支援、患者・家族への薬剤指導、地域を交えた研修会等があります(詳細は磐井病院ホームページもご覧下さい)。